ReConquistador

ロンドンで”魔法使い狩り“を倒した謎のハイランダーを追ってスペインに渡ったガフは神聖幾何’F’の噂の真偽を確かめるべくポンペウファブラの司書とバルセロナ旧市街で接触する。
その夜ワインを交わすガフたちと偶然隣席した異形の巨躯はカザフスタンから帰国したばかりの教会のコンキスタドールだった・・・という妄想。

コンキスタドールというのはスペイン語で征服者という意味なのだとか。作中ではスペイン王(神聖皇帝)が任命した異教徒からの無条件略奪権限をもつ冒険者の末裔を指す。
その性質が示す通り”国際探索者協会”と競合するが協会には属さず対立している。教会(神聖皇帝)からの正式な任命状を持つため教会とは対峙せず、非教化世界における探索においては教会からの支援を得ることもある。
かつて「太陽の沈まない国」と言われた時代に新世界がもたらす金により財を成し地位と名誉を手に入れた成功者一族の末裔であり、今日までなお繁栄を続ける一党には秘められた深遠・真理に到達したものもいると聞く。
シンボルとは起源を異にする異形の秘術秘法に通じ、常にファミリアと呼ばれる戦闘従者と行動を共にする姿に、探索者協会からは”ハプスブルグの犬”と揶揄される。
その成立の背景にある、ローマ支配、西ゴート、イスラーム支配下、レコンキスタ、スペイン帝国という歴史的に見てもイスタンブールとはまたちがった東と西の接点の産物といえよう。

というわけでスペインから帰ってきた。

もちろんお仕事がメインだけれどそれなりに休みもあったので、バレンシア、タラゴナ、ジローナ、アンドラ公国などカタルーニャを中心に方々を見て歩く。
街中でも幾度もお祭りなどのイベントもあり、地元の人しか経験できない(人種の多様性が生む日常的危険潜在という意味でも)、異国生活の雰囲気は満点だったかと。
サグラダファミリアなどで有名な建築家アントニ・ガウディ。
バルセロナにはガウディの痕跡がたくさん残っているのだけれど、こうした活躍の裏には大富豪エウセビオ・グエルの存在が欠かせない。彼がいなかったらガウディの才能は埋もれていただろう。
逆に言えば、だれにも見出されず、埋もれてしまう才能は星の数ほどあるということかもしれない。芸術や天才などというものはパトロンの存在があって初めてその地位を確立するのかもしれないなあ、と今さらになって理解した。

残された作品を見ながらガウディは先見性のある天才だったのだなぁと感心するとともに、フリーメイソンであり生前写真を撮られることを嫌っていた、などというエピソードを知り、かれは実は未来からやってきた旅行者だったのかもしれないなぁ、などと妄想。

細かいエピソードに触れつつ、なかなかどうして、こんなに有名人でも日本で見聞きできる資料だけでは分からないこともあるものだなあ・・・と思った次第だった。

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください