ねじまき少女

マニューバクラフトからスレイブに変形するまでの時間はわずかに一秒弱。バイクがロボットに変形するというギミックは20年以上も前のアニメーションとは思えないほど斬新なものでモトスレイブやモスピーダといった強化服の外殻装甲といった存在とも一線を画している。
後部に張り出したコックピットブロックのフォルムはナイトメアフレームを彷彿させる。巨大ロボットも迫力があっていいのだけれどこういう10㍍未満の人型兵器のほうが戦術兵器っぽくて好き。
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こーゆー未来ガジェット的汎用兵器を物語に登場させてしまうと必然的にバトルシーンを盛り混む必要が出て来る。お話として戦闘の必然性を説くことを避けて通れなくなり、戦いの主体を主人公に持ってくる場合は敵と戦う必然性や正当性に突き当たり侵略者や非道なカルト集団との戦いに身を置きかつ戦いと死の恐怖を克服する人物像を描かなければならない。また敵対する勢力にも戦いの正当性があるわけでこれに気付いた主人公が戦いつづけることへの葛藤を避けることも出来ない。(一方的な正義のヒーローという幻想はすでに様式化していており既に漫画や小説としては成り立たない)
主人公の意図に反して大きな戦争というものに巻き込まれ戦いを続けるという手もあるが積極的に戦局に介入することがないのでその展開には常にフラストレーションが付きまとうことになる。大きな戦争の流れとは別にもう一つの流れがあって戦争という日常を重ねながら個人の目的を達するというストーリーが一般的だ。
こうした”お話”を創る上で避けて通れない手続きを打破するため戦争の意味や目的に一切触れずに主人公の周囲の物語と戦闘のみでストーリーを創るというやり方が生まれる。セカイ系といわれるもので必然や根拠や正当性といった社会通念に触れずに描きたいモチーフのみを前面に押し出すことができる(バームクーヘンのように中身がからっぽになってしまうけど)。あるいは逆転としてワイルドヒーロー自ら倫理を逸脱するという展開も。

最近の日常系アニメや異能モノも嫌いじゃないけれどリアル戦闘メカものっていうのも誰か新しく始めてくれないかなー・・・物理的機構万歳!

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