バークレー・ブルー

a919a.jpg旅行から帰りの電車で何気なく眺めていた乗客の持つ新聞一面でスティーブ・ジョブズの訃報を知った。

当時のマイコン雑誌にでかでかと載っていたapple][の広告。レインボーカラーのリンゴのマークになんともいえないセンスを感じて”いつかは欲しい”と思わせるようなものだった。おそらく今日の家庭用コンピュータが持っている特徴のほとんどを装えるプロダクツとして世の中に送り出された最初の商品のひとつだったといえるだろう。

appleの開発にはスティーブ・ウォズニアックというエンジニア抜きには語れない。”ウォズの魔法使い”とも呼ばれる彼はハードウェアとソフトウェアに芸術的なセンスを持ちappleI,apple][のハードソフトをほぼ独力で開発したといわれる。
典型的な技術オタクだったウォズニアックをビジネスの成功に直結した男…それがジョブズだった。技術やアイディアを組み立てて世界の枠組みを変えることに長けていた男だった。

今あの当時を振り返ってみても今日のパソコンが今の形でこんなにも普及しているのにはappleの成功が一因にあると思える。その後のiPodやiPhone,iPadなどが見せてくれた誰も見たこともない未来世界を創出し続けるその姿勢には、イノベーションが資本主義の根幹にありまた若くしてアメリカンドリームを実現した二人の技術者の精神がそのまま具現化したかのような錯覚を覚えてしまう。インスピレーションの具現にハードウェアとソフトウェアとコンテンツを一緒に創造できる強みといってもいいだろう。

人は常に”夢を実現することに貪欲でありたい”と思っている。ただ、その夢が正しいか正しくないかは周りの人が判断することであり、夢を実現することで沢山の人を不幸にするかもしれないし、また幸せにするかもしれない。それゆえ夢の実現に貪欲にはなれないのではないだろうか。
…人がジョブズのような生き方に際して憧れのような想念を持つのは自分の持つ夢が信じられなかったり、あるいは夢を持っていなかったりするからかもしれない。

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