スイートエモーション

というわけで寝台特急『日本海』で青森まで行って来ました。
a917.jpg昔は沢山あった寝台特急だが今はもう数えるほどしか残っていない。折角の休暇なのでロイヤルとかに乗ってみたかったけど直前に計画したのでそんなチケットを手配する暇もない。駅弁食べて寝てる間に着くと思ってたけれど青森はさすがに遠く15時間ぐらいかかってしまった。実は青森県に来るのは生まれて初めてでこれで47都道府県すべてを制覇したことになる…てゆーか青森寒い。寒いので暖かいコーヒーを、と思って自販機を見るもCOLDばかり。うちの職場なんて9月に入ってすぐにHOTに切り替わったのにぃ。

折角青森にやってきたので八甲田山に登ってみた。寒いんだろーなと思ってそれなりの装備を持っていったのだがなんと雪が積もっていた。雪山装備なんてしてなかったのでこれには参った。しかも山頂付近はガスっていて時折視界が無くなり身の危険を感じつつも久しぶりの山登りを堪能する。その日は山を降り青い森鉄道沿線の温泉に宿泊。部屋食ではないけれど個室が用意されててねぶたのセットとお祭り囃子に囲まれて海の幸山の幸を満喫する。夕食後、津軽三味線のライブに連れて行っていただいたがこれがなかなかにエモい。
その後、貸切にしていただいた最上階の露天風呂に浸かりながら満点の星を眺める…至福のとき。

ここで初めて知ったのだけれど”ねぶた祭り”というのは七夕祭りの変化したものらしい。ねぶたはいわゆる灯籠、能登で見た「キリコ祭り」みたいなモノだろうか。精霊流しの由来は諸説様々だけれど”ケガレバライ”の一種なのかも。所変わればまだまだ不思議なお祭りも沢山ある。人里離れた山奥でひっそりと何百年前から続く奇怪な奉りが受け継がれていても不思議なことではないかもしれない・・・とか湯船に浸かりながらそんな妄想に浸る。

時間もないので縄文時代の遺構”三内丸山遺跡”を見て回る。1000年近く祭事の続いた集落の遺構とされるが1000年も栄えた都が忽然と消え去った事情にも興味が尽きない。復元された竪穴式住居を見て回ったが中は湿っぽくてとても居心地よさそうには思えない。チベットのゲルの中みたいな楽しげな内装には出来ないものだろうか。なおこの遺跡は公園として整備されていることと街に隣接していることからいわゆる古代っぽさにはいささか欠けてしまう面もあるのだがソコは妄想力でカバーしよう。
敷地内には月面シェルターのようなドーム上の建物があり最初そこには近づいてはいけないのだと思ってたのだが、その施設は発掘された遺跡そのままの状態を保存するためのもので自由に見学が出来る。中は薄暗く昼夜休み無く働く機械が不気味な作動音を発しており時折人が囁くような錯覚を覚える。かすかなライトに照らされた太古の遺構を含めてなにか人類のよこしまな雰囲気の漂うモニュメントであった。
近づいてはいけない、といえば遺跡の傍の林に”注意!ここからはカラスの世界”という旨の札がありむしろそっちのほうが怖いッ!

遺跡に近接して青森県立美術館がある。2006年に開館した新しい美術館であり郷土の芸術家作品を常設展示するとともに特別展示を期間ごとに入れ替えて行っている。この日は『印象派展』だかなんだかをやっていた。折角なので両方見て回る。ルノワールやモネ、シャガールやゴッホの作品を間近で見る機会もそうそうあるものではなく(まぁ観にいけばいいんだが)大いに感銘を受けて”帰ったらこの手法で描いてみよう!”などと思ってたけれどごらんの有様だよw

常設展示は特に奈良美智さんの作品が目立つ(個人的に)。どちらかといえばサブカル的な媒体で奈良さんの作品に接する機会が多かった所為かこれだけで青森県美の印象がやわらかいものになってしまういい意味で。発掘現場をイメージした、とされる美術館はとにかく白く特に天井の高いトイレに無駄な芸術性を感じる。その他青函連絡船を見たり青森市内をぶらぶらして八甲田そばとか三色丼を食べたりしたのだがその辺は割愛。

その後、五能線という風光明媚な路線があるというので早速リゾートしらかみという休暇の人向きの指定席列車にのってみる。平日ということもあって一両丸ごと貸切にしたような贅沢感満載の豪華な車両だ。青森・弘前を経由し奥羽本線から五能線に(ここで二回スイッチバックして方向が切り替わるのが面白い)。終点の秋田まで5時間の道乗りである。道中どこまで行っても見え続ける岩木山とか美味しそうなリンゴとか駅ですれ違う列車にのった美人の売り子さんや帰宅途中の女子高生たちや小さな女の子がことごとく笑顔で手を振ってくれるとかその辺も割愛。
白神山地や日本海に沈む夕日を眺めながらすっかり日も暮れて秋田へ。秋田では名産の稲庭うどんを食べたり駅の近くにある温泉につかったり駅前の居酒屋で一杯やりながら帰りの寝台特急を待つ。あきあに!という杏子とさやかとしか思えない図案のポスターやなまはげを萌えキャラかしたようなご当地キャラが駅のあちこちに目立ちいい時代になったなーと思う。時間をつぶす際には駅の東側にある比内地鶏の串を出してくれるお店がお勧め。寝台の帰り、朝思いもしなかった車内販売が回ってきたので駅弁を買ってしまった。客車で食べる駅弁ってなんか美味しいよね。

折角なので京都に朝帰りの後、梅小路蒸気機関車館によって遠足か社会見学かの小学生に混じってSLを眺めて過し京都拉麺小路でラーメンを食べて帰宅…という青森一泊旅行でした。そういえば東北には特に美人が多いっていわれますが本当にそうですね。青森駅にいたiPad片手の一軒保険レディ風無料観光案内のお姉さんもリゾートしらかみの売り子さんもめっちゃ美人!りんごってやっぱり美容にいいのかも。

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください