DomanSeman
比良山系は15座あるといわれるうちの一つ堂満岳(1,057㍍)に登ってきた。比良という地名はアイヌ語のピラが語源となっているといわれる。ピラ=崖という意味だがその名の通りガレ場が多い。
アイヌ語といえば消滅危機言語といわれているが日本の地名や日本語そのものにもアイヌ語が語源となっているものは割とある(トナカイとか)。縄文語ともいわれ古代日本の姿かたちを今の世に伝えているのかもしれない。
イン谷口から登り始めノタノホリ(池)を経て堂満岳に至る。山登り初心者だけれどいろいろな表情を持つ山道も連なる山々には同じような雰囲気が漂う。春先に登った蛇谷が峰も比良山系のひとつだが雑木林の道などは同じような表情を感じる。
天気がよいということだったが山の上のほうにはもやがかかっている。頂上に着くまでに晴れるといいのだけれど。
麓の道から山の斜面に取り付き谷沿いの道を登りいくつかの起伏を超えるとやがて急な斜面を登るトラバースに取り付く。これを登りきると稜線に出る。そこから先は頂上へ至る道。後半の急な斜面がきつくて思わず斜面にへばりついてしまった。山道、というか岩がごろごろして川みたいになって崩れている斜面を登るコースなどはしんどいけれど楽しい。
山頂には積雪の跡があった。毎日下界から眺めているだけでは分からないがもう雪の季節なのだなと思った。これからは雪山の装備も必要になるだろう。
#木の葉の下には水が流れている。崩れた山の斜面にしか見えないがこれが道だ!
#尾根道に出たところ。ガスってて視界なし。軽快な雑木道です。
#山頂近くの急なのぼり。巨石と奇妙な樹木。神秘的なのでパチリ(パチュリー)。
#山頂にて。ちょっとだけガスが晴れた!向こうに見えるのは釈迦岳。足元には残雪。寒いかもです。
山登りって一つの生き方のようにも思う。麓から眺めているうちは遥かなところにあって仰ぎ見る存在。そこに向って進むうちにいくつも分かれ道迷い道、ひだひだにわかれた裾野を超えてゆかなければならず、右往左往しながらようやく頂きへと通じる稜線出る。ようやく迷いもなくなり頂上に至る一本道になるけれどそこからが大変、あきらめずに登り続ければ頂上にたどりつく。そして、そこから眺めると他にも楽しそうな山々が見える。一つのことを成し遂げるための過程に似ていると思う。
話は変わって変わって。
消滅危惧、といえば本屋さんで見かけハマっている『レッドデータガール(RDG)』シリーズが面白い。レッドデータブックといえば国際自然保護連合(IUCN)によって作成された絶滅危惧生物を記した資料だが、RDGでは神霊と交信することの出来る人がもはや絶滅危惧(Endangered)のカテゴリーにあるというお話。物語自体は学園伝奇ものというかちょっとかわったおしとやかな女の子視点の青春モノといってもいいだろう。
作中で陰陽師も出てくるのだが、神霊を使役するというその存在の本質がこんな風に語られているという点にちょっと衝撃を受けたり。夢枕獏のお話に出てくるような輩は普通(じゃないけど)の女の子からこんなふうに禍々しい存在なんだなーって改めて認識。
『ネクログ』で描かれる仙術使いも同様に神霊を使役する禍々しさが見え隠れしている。諸星大二郎の燕見鬼も好きなシリーズだけれど。
RDGは現代ファンタジーってオビには書いてあるけれどどっちかというと伝奇でしょ。伝奇っていうとちょっと健全じゃないイメージがあるのかも知れないけれど、泉水子の視点がとにかく新鮮で楽しい!もちろん人にはお勧めしませんが。