Wolf in electric sheep’s skin
Museo Egizioを訪れる今世千世。世界でも有数の神代の研究機関がここにはある。
Museo Egizioといえばシャンポリオンがヒエログリフの解読に挑む際に多くのリファレンスを提供したことで有名だ。このヒエログリフの解読により古代エジプト学は成立発展したといわれるが、そもそも古代エジプト学とはいったい何なのだろう。
古代エジプトといえば紀元前3000年ごろにナイル河流域に興った、記録上に残っている人類最初期の文明であり、紀元前30年にローマ帝国によって滅ぼされる(最後のファラオはクレオパトラ)までを指す。
なお、ローマ帝国と呼ばれてはいるが、ぽつぽつと乱立した都市国家群からやがて成り立った古代のローマには神代の代行者(あるいは神そのもの)である皇帝が存在しているわけではない。がしかし、民族大移動の交差点として統治権の交代に明け暮れたメソポタミアとは異なり、連綿と古の文化を育んできたナイル河流域には実際に神として君臨する王と臣民の世界が確かに存在していたのだ。殺戮を繰り返してきた野蛮な古代人類にとって当時のエジプトはさぞかし神聖な世界だったに違いない(決して古代エジプトが平和な世界だったわけでもないが)。この現代においてもエジプト王が宇宙産金属の武器を所持していたり、エジプト王のDNA解析の結果(人種不明)が公表されていない、などなど神秘の世界のネクロマンツェに溢れている。
古代エジプトにおいては死は新たな生への旅立ちであったといわれるが、今世千世は4000年前に新たな生の世界へと旅立った(あるいは復活の時まで眠りについている)ファラオと対話する必要に迫られていた。エメラルド石板に残されていた聖刻により正しき星辰を得た千世はメンフィスの一角ジェド・スト(不朽の地)にてついに秘匿されし玄室を発見、犬頭人身の神格との謁見を果たす、この世の覇権を手に入れんがために…。
莫大な富と権力を生まれながらにして持ち、先祖の残した膨大な知識と秘術を受け継いだ少女に求められたのは、覇道。ただただひたすらに世界の真実に向かって突き進むことであった。千世の代にしてようやくこの世界の深淵なる真実の扉に手がかかる…という妄想。
などという妄想に浸っているうちにみたび欧州と北米出張の話が舞い込んできました…幾度となく言葉しゃべれないので無理ですと全力回避してきたのだけれど、ロビー活動むなしく海外のエンジニアと対峙することになります。期せずして関空が水没しちゃいましたがそれでも行けと。がんばれ私。
話は変わりますが、最近出願特許で幾度か社内外表彰を受けることがあり、子供のころクラスの文集(?)で書いた”将来の夢”というのをふと思い出しました。確か「夢は漫画家、もしくは科学者、あるいは町の発明家なんかもいい」といった内容だったかと思います。ひょっとすると”発明家”という夢はすでに叶ってるのやもしれません(知的生産っていうのがしびれます。ただ想像とは違って注目を浴びると政治にまみれた世界に突入ですが)。ただし科学者ではなくエンジニアだし、漫画描いてないし。”見果てぬ夢“っていうのはそれ自体ロマンなので好きですが、”夢は叶えるもの”という達成感も大切かと。薄さゼロのマトリョーシカのような無限に達成感が得られるモノってやつは永久モチベーション発生装置なのかもしれませんね。