あるいは現在進行中の黒歴史
バンビーナ(bambina)っていうのはイタリアで女の子って意味なのだそう。知らなかった。
11月も半ばを過ぎてて気が付くと年の瀬も押し迫ってきていたり。年々加速する時の流れに軽い眩暈すら覚える。月日の流れが速いっていうことはそれなりに毎日充実しているってことなのかもー、って思わなければやってられないよね実際。
最近はSmalltalkの勉強会に参加している。Smalltalkっていうのは1970年代に開発された純粋オブジェクト指向のプログラミング言語であり、またSmalltalkで記述された統合化プログラミング環境のことを指すこともある。そんな話だけでも十分メタ的なのだ。とにかくメタい!Smalltalkではクラスやインスタンスといった概念やリテラルでさえもオブジェクトとしてSmalltalk自体で実現されている。そのヒエラルキーをブラウジングするだけでも感動してしまう。
勉強を始める前はなにやら新しいプログラム言語でも習得しようかなーって軽い気持ちだったのだけれどSmalltalkで構築されたSmalltalk自身の内部構造を眺める(Diveする!)うちにオブジェクト指向プログラミングのお手本としての集合知がすでにそこにある、ということに気が付く。こんなものが30年以上も前に完成されてるということ自体驚異的なのだ。ちょっとその辺でOOD/OOPしているような人たちは大半の解がこの時点で既に用意されているということを知るべきではないか、とさえ思う(クラスライブラリーCollectionの辺り(VisualWorksを触ってます)を眺めただけでもそんな思いに駆られてしまった!すげー)。
こんなもの一体誰が作ったんだろう?ということで調べてみると、やはりというかパロアルト研究所。「再帰設計の基本原理は、部品が全体と同じ力を持つようにすることだ」Smalltalkを創った一人、後にアップルのフェローとなるアラン・ケイはこんな言葉に着想を得ている。このあたりオブジェクト指向プログラミング誕生の歴史を紐解くのは異様に楽しい。
こうも判りやすくも具現化されているメタを見ていると自分達の世界の見え方すら変わってしまう気がする。
ダグラス・エンゲルバートの考えた「対話型コンピュータを活用して集団的知性の利用を実現する」・・・インターネットが普及した今まさにそんな世界が出現しているのだけれど、こういう世界を夢見ていたのかしらん。
もはや月例と化しつつある大阪グルメツアーでは持参したMMDとカラオケやボーリングできるVR店舗のネタとともにこんな話もお酒のネタになっているのだけれど、そこで“こうした集合知について理解し積極的に活用できているような現場はこの世界においてどのくらいの割合で存在するのだろう?”という議論になった。
てゆーのもみんなの現場でも”車輪の再発明”が後を絶たなかったり”エントロピー増加=仕事した”論者はなくならなかったりする。日本だけなのか、というとそうでもない。ここ数年欧州のチームと一緒に開発をしているのだけれど平気でgetter紙吹雪を撒き散らしたりしてくれる。
議論に結論はないけれども、まだ世界の構造は見えない、という意味ではこの先のわくわくも沢山残っているのだなーって思う。
話は変わって変わって。
黒歴史ノートっていう言葉がある。黒歴史っていうのは(どうもターンエーが語源みたいなのだが)忘れたい過去をさしているのだけれど、若気の至りっていうか振り返ってみて恥ずかしいなって思う過去みたいなものだ。
そんな過去のなかで、拙いながらもその拙さに気付かず小説や詩マンガや設定を創ったりしたものが黒歴史ノートと呼ばれている。ま、私の場合なんかは、たとえばこのブログなんかが正に該当するのだけれど(笑)
ということでちょっと晒しててみる。ついでに黒歴史ノートの類型に迫ってみる。
【架空の土地歴史型】こちらはファンタジーの設定。辺境に存在する巨大なダンジョンになっている謎の塔を舞台に何やらお話が展開しています。地図を描いたりするマメさは今の私にはないかもね。内容は建国の歴史とか神話とか政治・経済、種族の分布や生態系など。ぱっとイメージで思いついたものについて存在理由や歴史や意味などを考えていくのも存外に楽しいものです。数は少ないのかもしれませんが架空の歴史っていうのは黒歴史ノートのジャンルとして確立しています。
【キャラ型】
こちらもどちらかというとファンタジー系の登場人物創作ノート。絵を描きながら特技(異能系/超必殺系/伝説的武具系)や生い立ちや性格などをあれこれ考えたりするのは箱庭的楽しさにあふれています。登場人物同志の関係を考えたり出会いを考えたり(絡ませたりしてみたりw)、さらにそこから(世代を変えて)過去や未来に話を広げたりするともう・・・はい、世の中で一般的に最もよく見られる典型的な黒歴史ノートです。
【ポエム型】
個人的に黒度の高いタイプがこのポエム型。人はなぜポエムを書いたりするのでしょう!?そして後から読み返すとどうしてこんなにダメージを受けるのでしょう!?わたし気になります!
高校時代はバンドをやっていたのでオリジナルの曲には歌詞をつけていました。この歌詞がまた恥ずかしい!!またそれを歌っている音源がさらに恥ずかしい!!!黒度、高いです!!
【オリメカ型】
マッシーン。ロボットも基本ですよね。オリジナルメカを考えるのも妄想の醍醐味。既存のアニメや漫画の世界を伸張しオリジナルメカを考えるのも基本。またそこからオリジナル世界のメカを妄想するのもまた楽しい。ロボは王道ですが乗り物全般だったりするのがこの型です。黒度は若干低め?
【ボスが来た型】
不意の来客用。てゆーか「ちょっとぉ!なーに!なーに!?絵とか描いてるの?見せて見せて!」的なオタクではない友達が家にやってきたとき用のスケッチブックってゆーのがあります。趣味をひたかくしにするためにはそういう時に見せるようなものもちゃーんと用意してあるですよ!写実的でちょっとアーティスティック風味あるような絵ばかり。ただまあパンピー的には黒歴史であることにはかわりありませんがw
【漫画型】
漫画。ここまでくればまあ今と変わりありませんね。現在進行中の黒歴史(笑)
こんなのが数十冊、他にも小説とかスプラッター/クリーチャー的なものとかありますがちょっと毛色が違うので別の機会にでも。
ネットで見る限り、黒歴史ノートってたいてい大人になったら捨てたり燃やしたりしているみたい。わたしなどは昔から酔っ払って“やらかしたり”することがあまりにも多くて、振り返って恥ずかしい過去の自分を否定すると何も残らなくなってしまうので、時折引っ張り出しては眺めて楽しんだりしているのだけれど。
黒歴史バンダイ・・・バンザイ!
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日記絵:ルビィの眷属、ケスラとシェル。陰陽師でいうところの式神なのだが人格や誕生史を持つ。生命の定義はルビィの研究テーマの一つ。