英國式魔法少女Ⅳ

b067bMagnificent Seven – “偉大なる七廟”と呼ばれるそれは18世紀ロンドンに建造された教会外集合埋葬地、いわゆるネクロポリスである。

ゴチック様式の東屋や蔦に覆われた石碑、立ち並ぶ天使像、レバノン杉に覆われるエジプト街やレバノン回廊などヴィクトリア風の趣をもつ幽幻かつ耽美な死都の誕生に当時のロンドン市民は熱狂したという。(ネクロポリス便なるロンドンの中心地から死都までをつなぐ専用列車が運行されていたほどに)

こういう話を聞くだけでいろいろな妄想が広がってしまう、”腐敗しない死体”や”死体泥棒”はては吸血鬼(当時ヨーロッパでは死者をそのまま埋葬し白骨化したのちに掘り起こし遺骨を並べておくというのが一般的だったので”早すぎた埋葬”などそういう話も沢山残っている)。

死の都、といえばベルギーのブルージュ、ということで以下妄想。

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「あるものを破壊して欲しいの」

セントパンクラスはEuston Roadの96番にある探偵事務所で依頼人らしき女はそういった。

依頼主の幼い頃からの友人であるパウルは結婚してすぐに事故で妻を失ってしまった。どうしても妻を忘れることができないパウル。ふさぎこみになったパウルはやがて心配する友人達を遠ざけるようになる。

心配した依頼主がパウルの家をたずねたとき、彼は妻を偲んで自宅に「名残の部屋」と呼ばれる一室を構え、そこに妻の形見である品々や写真、遺髪といったものを集め一日中鬱々と篭もるようになっていた。パウルの奇行を心配した依頼主は彼女の死を受け入れ、前向きに生きるよう促す。

そうしたある日、友人達の間で奇妙な噂が飛び交う。パウルの家の近くで亡くなった妻とそっくりの女を見たという噂。
そんなある夜こっそりとパウルの家に忍び込んだ依頼主は「名残の部屋」の扉に手をかけたところでパウルに見つかってしまう。いつまでも亡妻の思い出から逃れられない彼を想うあまり、激昂して「名残の部屋」に入りそこにあったものを投げつける彼女、しかしそこで彼女が見たものは、彼女の想像を絶する口にするのもおぞましい”もの”だった。パウルの顔色が変わり、その手が彼女の首元をおさえ、ゆっくりとしかし確実に締め付けていった…。

「なるほど、その”もの”を破壊してほしい、と」

うなずく依頼主。

「しかし、私はお金では依頼を受けない。貴女は何を用意できるの?」
「この魂を差し出しましょう」

青白い唇でその娘は自らを示した。

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とか、そんなエピソード。

話は変わって。

ハイゲイト墓地今年のバケーションの旅行先は昨年に続いてイギリス!今回は是非このロンドンの墓地めぐりをやってみたいと思う。ハイゲイト墓地の旧区画はツアーでのみ見学可能とのことで英語力にはなはだ不安のある私としてはちょっとしたチャレンジ。あと、去年見逃してしまった”クレオパトラの針”も(何気に幽霊スポットらしい)。
そのほか列車にのってお城のある田舎町やストーンヘンジも観に行ってみたい!列車の切符を買うのも不安だけれど。

トップハットに礼服、蛇の円環の中に髑髏十字と空の砂時計を配した図柄の腕章。ロンドン葬儀社のアンダーテイカーに出会うようなことはないのだろうけど、ちょっぴり異国の幽幻な雰囲気を味わいたい。

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