Z432と少女
また自動車妄想が(脳内で)盛り上がって来たので過去絵にちょっと手を加えてみました。
Z432…4バルブ・3キャブレター・2カムシャフトのS20型エンジンを搭載する初代S30型系のダッツンズィー。
スーパーカーブームの頃はフェアレディZなんてエセスーパーカー(プアマンズポルシェ)だと馬鹿にしていましたがスペックもさることながら今になって眺めてみるとなかなか魅力的なフォルムをしてます。ジャガーを意識したロングノーズやエンジン干渉回避のためのやむなしな中央の盛り上がり、そして手前に跳ね上がるボンネットも好み。ヘッドライトカバーを書き足しても良かったかも。
自動車がステータスでなくなりつつあるこのご時勢ですが、せめて妄想の世界だけでも。といっても走り屋漫画のような世界とはちょっと違ってクルマのバトルが様式美化している世界。高嶺の花となった希少車、高級車を駆るお嬢様たちが公道のカリスマとなってプライドを競うとかそんなの。
そういえばまだ伊豆に住んでいたころ、夜中に裏箱根へ走り屋を見にいったことを思い出す。真夜中なのに九十九折のヘアピンコーナーのガードレールに人だかりが出来て今思うとちょっと背徳的でお祭り雰囲気のような奇妙な世界だった(当時は世の中全体ももけっこうそんな感じだったのだ!)。やがて遠くからエンジン音が響いてきたかと思うと、その直後、忽然と曲がり角の向こうから真横になったまま二台のクルマが出現しそのまま滑りながらすぐ目の前を通り過ぎていった光景はなんというか現実離れしてた。
そんな世界、今ないよねー、などと居酒屋で盛り上がっていると店員のお姉さんが「そっ、それクルマの話ですよねッ!?わたしも大好きなんです~!」と仕事を放り出していきなり話に割り込んできた。いまどきの女子にしては珍しく車に詳しい。話を聞くと近場にも人の集まる峠道があるということで、週末にはタイヤを履き替えてせっせと通っているとのことだった。
わたしの関西での公道の印象は、交差点の真ん中で八の字に対峙し交差して停車した二台の車から出てきたやーさんが道路の真ん中で大喧嘩している光景とかしかなかったのでそういうささやかな世界もあるのだなーと認識を改める、そんな話でした。
そういえば最近はあまり物騒な場面に遭遇していないけど単に出歩く機会が減っただけなのか、それとも世の中平和になったのか、どっちなんでしょ。少しは平和になったんだと思いたい…。