英國式魔法少女Ⅲ
イールマーシュの館。
イギリスの田舎町は霧深い沼沢地にあって、引き潮のときにしか渡ることができない島にある英国王ジェームズ一世時代の古い洋館。最近亡くなった館の女主の遺産相続の資料、遺言書を探すために一人赴く。
『ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館』より(未見です)。
引き潮のときだけ路が現れて渡れる、フランスのモンサンミッシェルみたいですがイギリスにも結構そういう島はあるようです。
ロケ地になっているのはOsea Islandというサセックス州のリゾート地、ロンドンの東50㌔といったところ。館のロケ地も同じかは不明だけど、正面を向いた二つの切妻がとてもそれっぽい洋館。
依頼を受け住み手のなくなった田舎町の古い洋館に赴き探索する、しかもその近辺では近寄ることが禁忌視されるいわくつきの洋館。
駅に到着し気さくに話しかけてくる町の人々が洋館の話を持ち出した途端に態度が豹変。
道案内をするかつて館に使えていたという陰鬱な傴僂の老人。全時代的なオートモービルに揺られ到着するゴシック様式の洋館には、沢山の部屋があり散策するうちにしだいに洋館に過去訪れた不可思議な一連の出来事について知ることになる。
やがて日が暮れて最初の夜がやってきた・・・。
潮が満ちると外界とは隔絶するという舞台もポイントが高い。 ゴシックホラーの舞台装置としては鉄板といえる。
あとは、数百年前この地に館が出来たときに以前からその沼地に棲んでいた何者かと契約を結ぶとか、隠し部屋から下ったところにある地下室にルーマニアの棺が並んでいたりとか謎の石仮面とか如何様にも想像は広がってゆくわけだ。
英國式魔法少女はそうやって夜ごとに想像する超常現象や襲撃する名状しがたい地球の先住種族に対してオカルト知識と古今東西の律法魔法を駆使し謎と脅威を退ける少女のおはなし。